Google広告の運用に機械学習を活かすために考えたことメモ

Google広告では機械学習の力が最大限活きるようにアカウントを設定することが大事と言われています。
その中で、これまで何度も「今後機械学習が進んでいけば、結果は上向く可能性が高いです」みたいなことを説明してきました。
ただ、恥ずかしながらそもそも機械学習が何なのかをしっかり理解していませんでした。
広告運用に活かすためだけでなく、クライアントへの説明責任を果たすために機械学習の理解はとても重要だと感じています。
そこで、自分なりに書籍を読むなどして機械学習について調べたので、その内容と自分自身考えたことをメモ程度に言語化しておきたいと思い本記事にまとめました。
自分の理解が全然違う可能性もあるため、これを読んだ方でその道に詳しい方がいらっしゃればご助言いただけると嬉しいです。

機械学習とはどんな機能なのか

・機械学習の機能は「関係性の予測」。

・例えば、将棋。名人の棋譜のデータを大量に覚える→そのデータと目の前の盤面を比べる→なるべく似た棋譜データを探し出して次の一手を指すということを将棋のAIソフトは行っている。これは、棋譜データ中のある盤面と次の一手を指す前の盤面の関係性を予測し、名人の盤面になるように挙動していると言える。

・原因と結果の関係性を予測し、結果(過去)から原因(未知のもの)を推定している。

・機械学習の際には統計分析が行われる。

・私のような文系人間が理解するのは厳しい、理系大学出身者しかわからないような難易度の高い統計分析処理を行っている。

機械学習が精度高く行われるために重要なことは何か

・データの数の多さ
→データが少ないと、精度の高い統計分析ができない

・データの質の高さ
→データの質が低いと、実用的な機械学習にならない

Google広告の機械学習が(おそらく)やっていること

①広告が表示されてコンバージョンした人のデータを収集する
②広告を表示させなかったパターンのデータも収集する
③①と②の他にも様々なシグナルから、「いつ、どこでどんなアクションをした人がコンバージョンしやすいのか」を統計分析して常に学習する
④コンバージョンしやすいタイミングで入札単価を調整して広告を出す

・たとえば、統計分析をした結果「このクエリの次にこのクエリで検索するといったように、ある特定の経路を辿った人に広告を出すとコンバージョンしやすい」ということを学習し、似た経路を辿っているユーザーに対して入札単価を適切に調整し、目標が達成されるように挙動する。

Googleは広告が表示された時(A)と表示されなかった時(B)の結果も比較している(おそらく)という点はこれまで意識したことがありませんでした。
広告管理画面では、「広告が表示された結果どうなったか」しか確認できない。つまり、物事の一面しか見えていないという点は強く意識していかないといけないと思いました。
手動入札が自動入札にほぼ勝てなくなって久しいですが、その原因がわかった気がします。

機械学習をGoogle広告の運用に活かすためにやること

・統計分析の精度を上げるための適切なコンバージョン設定

・適切とは、①ビジネスにインパクトがある②数が確保できるを両立できること

・よくある「WEBサイト上の電話ボタンのクリック」や「LINE友だち追加画面へのリンクボタンクリック」は、②ではあるが①ではない。実際の電話や友だち追加につながっていれば別だが、基本的にはそこまでは計測ができず、管理画面の数との乖離も大きいため。

・そのため、間違った学習を促すことにつながるのでこれらをコンバージョンにすることはできれば避けたい。

・フォームの問い合わせ完了や予約、見積もり完了などクライアントと広告主がマッチングしたイベントの完了は①②を両立しているので理想的。

個人としては、機械学習を活かすために「①適切なコンバージョン設定ができるようにWEBサイトを構築する」「②適切なコンバージョンを計測できるようなタグ設定の知識をつける」の2点が必要そうです。
機械学習によって、日々のチューニングの難易度が下がっていく中で、クライアントの商品やサービス、事業をちゃんと理解し、ユーザーに伝わるようにコンテンツを作ることの重要度がより一層上がっていくと認識しました。

まとめ

私が広告運用を始めたのが4年ほど前ですが、その時と比べても触れるレバーがどんどん減ってきています。
このまま機械学習やP-MAXのパワーが上がっていけば、各所で昔から言われていますが、広告運用だけできる人の価値はますます下がっていきます。
そのため、「自分が出せる手札を増やし続けること」「クライアントから選ばれ続ける人間になること」の重要性がより上がっていくはずです。

Google広告ヘルプのキャンペーンの項目ではP-MAXが先頭行に来ています。

昨今のアップデートから推察すると、GoogleのP-MAXへの力の入れ具合は相当なもののようです。
その上で、機械学習はとてつもないスピードで進化を続けています。

来たるべき未来に備え、クライアントに貢献するために、先駆者の方々の意見から学びながら変化を止めないようにします。

参考にしたもの

これらの本(ナナメ読みしたものもあります)

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