書評『フォーカス!利益を出し続ける究極の方法』Al Ries 著/川上純子翻訳

本書から学んだことまとめ

  • 成長のためにやるべきことはシンプル。一つの事業や商品にフォーカスすること。
  • うまくいっている企業はフォーカスしているしが、うまくいっていない企業の大体がフォーカスしていない
  • 無計画な多角化はほぼ失敗する。計画的に多角化やライン拡大をする。

新たな気づきを得たり、勉強になったりした点

現実には、評判、すなわちイメージこそ全てだ。ビジネスを動かす真の推進力は品質ではない。品質に対するイメージなのだ。
誤解しないでほしい。品質を追求するのは悪いことではない。最高のものづくりを目指すことが悪いはずがない。だが、高品質の製品を作ることと、素晴らしいイメージを築くことは別なのだ。

・「素晴らしいイメージを築くこと」=「製品の素晴らしさが顧客に伝わるように工夫を施すこと」
・どれだけ素晴らしい品質の商品でも、その素晴らしさが顧客に伝わらないと選んでもらえない。
・製品の素晴らしさが伝わるようにすることが自分の仕事の本質
・一定の品質の商品が売れない場合は、伝え方が良くないor伝わっていないということになるため、自分の仕事の責任と認識して試行錯誤していく必要がある。

イメージを高めるにはどうすればいいか。答えは「フォーカスを絞る」である。
イメージを高める方法①「専門」効果
イメージを高める方法②「業界トップ」効果
イメージを高める方法③「価格」効果
イメージを高める方法④「ネーミング」効果

・素晴らしさを伝える試行錯誤の中で、どういった軸で訴求していくと良いか迷ったらこの4つの方法に帰ってきたい。
・ただ単に「〇〇の専門です」と言ったり、低価格の料金を記載したりでは顧客のイメージは高まらない。「どうやって専門家になったのか」「なぜこの料金で販売できているのか」と言ったwhyの部分を抜け漏れなく記載することが大切。

フォーカスが絞り込まれていれば、販売員たちは何をすべきか明快になる。(中略)誰もが、その製品に一心に情熱を注ぎ、同じ信念を持つようになる。

・「これだけはどんな時でも大切にする」というものを作ることは販促だけでなく、従業員のエンゲージメントを高める作用もある。
・また、同じ価値観を持った人を集めることにもつながるため、フォーカスすることは採用にも効く。

「ひとことで定義できる会社」になれ

・クライアントがどういう会社かひとことで定義できるくらいまで、事業理解を掘り下げることが大切。
・「誰のどんな課題を解消するために」「何をどうする会社なのか」という2軸で考えて、まとめていくと良さそう。

犠牲のない戦略はない。(中略)犠牲を払うことは全てを諦めることではない。それは自分のポジションを定義することなのだ。

・「犠牲」とは何かを得るために必要なもの。
・大切なのは何を得るために何を犠牲にするのかを明確にすること。犠牲をできるだけ最小限にすること。
・「何を犠牲にして、それを最小限にするためにどんな取り組みをしているのか」をしっかりとクライアントに説明し合意を得る。

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