社内でも年長者になりつつある昨今、業務時間の中で後輩の育成にかける時間が増えてきています。
今後の自分のために、後輩の育成にあたって心がけていることを整理しました。
①実務の機会を提供すること
これは私の短い社会人経験と僅かな教育実習の経験から感じていることですが、社会人の教育においては、座学はあまり役に立たないと思っています。
多くの大先輩と比較すると本当に少ない経験から感じることなので、全くの的外れかもしれません。
しかし、十数人の後輩の育成をしてきて「座学で色々と一方的に教えてきた時間はあまり意味がなかったかも」と思うことがほとんどでした。
その中で、後輩の大きな成長を感じるのは、強制的に実務を任せた時です(後輩自身の頑張りがあったのはもちろんです)。
実務の中で、ヒリヒリした経験や、失敗しないためにしっかりと準備することを通して、自分の課題に気づき、改善に向けて努力する。
努力の方向性が明確になったことで、成長に繋がったのだと思います。
実務の機会はどんなに小さなものでもいいと考えています。
お客様への定型的な連絡やミーティングの司会進行など、自分でもできてしまうことでもあえて任せる。
できるだけクライアントに近い業務をどんどんやってもらうことを心がけています。
②質問が出てくるまで待つこと
①の話に反するようですが、何かを知識を教える際にのタイミングは気にするようにしています。
後輩本人が課題と感じていないタイミングで、一方的に課題解決のための知識を教えてもおそらくすぐに忘れてしまうからです。
例えば、Google広告の仕組みをある時突然一方的に説明しても覚えられるはずがありません。
これは後輩の気質は関係なく、人間は必要性を感じていないものを覚えていられるほど優秀ではないことに起因していると思います(例外はあります)。
そのため、知識を教えるタイミングはかなり意識しています。
ただ、もしも後輩から質問がなかったら後輩はずっと知識を得られません。
この点、後輩本人が能動的に知識をキャッチアップすればいいのですが、それを期待するのは育成放棄だと思います。
そのため、後輩ができるだけ知識不足にならないように、①の機会の提供を積極的に行うことと、質問があった時にはプラス2くらい補足情報を伝えるようにしています。
関連している知識情報であれば、しっかり吸収してくれると思うからです。
座学が100%良くないとは思っていません。重要なのは座学をするタイミングです。
「入社して何ヶ月でこれを教える」など定型的なタイミングを作るよりも、「質問してきた時」が最良のタイミングと捉えています。
③お手本であること
・仕事に取り組む姿勢
・服装
・話し方
・社内での振る舞い方
・情報収集
などなど「やればできること」に関してはお手本になれるように意識しています。
後輩は確実に先輩の言動を見ているからです。
先輩がよくないことをやっていたら、後輩はたとえよくないとわかっていても、やってもOKと思ってしまいかねません。
すると、その後輩の後輩もやってもOKと思うようになり、よくない行動をし続ける組織が出来上がってしまいます。
一度やってもOKと認識したものを、NGにすることは至難の技です。
よくないことが平気で起きている組織は、遅かれ早かれ廃れていくでしょう。
そのため、やってもOKをそもそも作らないために、率先してお手本であろうとしています。
自分のお手本が100点満点の正解ではないかもしれないですが、他の会社に行っても恥ずかしくないくらいの態度は見せられていると思っています。