本書では、経営コンサルタントの小宮一慶さんが実戦での財務諸表の読み方を解説しています。「財務諸表はまずどこを見ればいいんだろう」と疑問に思っていた中で本屋を回っていると、本書の題名が目に止まり手にとりました。財務諸表の基礎は身についてきた自負があったので、本書を読むことで、次のステップでは何をやればいいかを知ることができました。
その内容をまとめます。
レバレッジメモ
1秒だけBSを見るなら流動費率を見る
- 流動負債:一年以内に返済義務のある負債
- 流動費率とは、目の前の借金を返済する能力を図る指標。
- 100%を超えていれば当面の経営は大丈夫と捉えることができる
- 業種によって安全な%は変わるので一概に100%を超えていればOKというわけではない
貸借対照表の右側は左側の調達方法を表したものと捉える
- デッドやエクイティで集めた資金で左側の資産を賄っている
- 負債=返済しないといけないお金
- 純資産=返済しなくてもいいお金
重要指標の一つ自己資本比率
- 純資産÷資産
- 会社の中長期的な安定性を測る指標
- 短期的な安全性を測る指標ではない
- 自己資本比率が高くても、短期的に資金不足になると倒産することがあるから
- どんな業種でも10%以下は少なすぎる
一番重要なのは手元流動性
- (現預金+すぐに売れる有価証券等)÷月商
- 常に余裕を持った経営が必要。手元流動性が悪化すると「お客様第一」が「資金繰り第一」になってしまい経営の悪循環に陥る。
- 中小企業だと1.5ヶ月分くらいあると余裕が生まれる
経営計画はまず利益から立てる
- 『売り上げ高ー利益=費用』と考える
- 企業にはそれぞれ出さなければならない利益がある
- 従業員の福利向上のため
- 資産利益率の向上のため
- 借金返済のため
感想
BS、PLの基礎を勉強した方にはかなりおすすめです。実践でのBS、PLの見方が学べる本でした。なかなか「まずはここをみろ!」と解説してくれる会計の本は少ないんですよね。
このあとは、色々な企業の決算書を読んで、実践経験を増やしていくと良さそうです。会計知識を持ったマーケターになるべく、より一層精進してまいります。