給料の元手は粗利
社会人経験が浅いうちに知れて良かったことの一つに「給料は会社の粗利から支払われるもの」があります。
このブログを読んでくれている方にも知ってほしいと思い記事にしました。
目次
基本的に自分が生み出している粗利より多くの給料が支払われることはない
会社側に立って考えてみましょう。原則として、会社は、会社が持っているお金からしか給料は支払えません。給料用にどこからともなくお金が湧いてくるわけではないのです。家計で想像するとわかりやすいと思います。生活費や食費は自分が持っている貯蓄の中から支払われますよね。それと同じことです。
「何を当たり前のことを」と思われるかもしれません。しかし、会社の予実管理に触れていなかったり、従業員が多すぎたりすると、会社の経営への意識が薄くなるため、どうしてもこの原則を見落としやすくなります。かくいう私も、自分でこの原則に気づいたわけではありません。上司に教えてもらって理解することができました。
それでは粗利とは何でしょうか。粗利とは、売上から原価を引いた残りのお金です。例えば、10,000円の洋服が売れると売上が10,000円生まれます。しかし、この10,000円全てが自分のお金になるわけではありません。洋服の仕入れに6,000円かかった場合、自分の手元に残るお金は4,000円です。この4,000円が粗利ということになります。粗利は、自分（会社）の手元に残るお金と覚えておくといいでしょう。
つまり、給料は粗利を元手にして支払われます。言い換えると、粗利よりも給料が多くなることは基本的にないのです。
「頑張っているのに給料が上がらない」と不満を言う前にちゃんと粗利が出せているか確認を
この記事に辿り着くような方は、日々仕事に関する勉強や残業をして頑張っていると思います。それ自体は素晴らしいことです。
ただ、そんな頑張っている人の中には、「頑張っているのに給料が上がらない」という不満を持つ人もいるでしょう。自分が頑張った分だけ結果としてリターンがあって欲しいと思うのは自然なことです。そういった不満を持つこと自体を否定するつもりはありません。
しかし、給料が上がらないと不満を言う前にやることがあります。それは、自分がちゃんと粗利を出せているかを確認することです。
厳しい言い方になりますが、大して粗利も出せていないのに、不満を言うのはお門違いです。先述したように粗利より多くの給料が支払われることはないからです。では、どれだけ粗利を出せているかを確認すればいいのでしょうか？ 基本的には、給料の3倍の粗利が出せているかを基準にすると良いようです。
給料の三倍の粗利を出して一人前
一般的には、給料の3倍の粗利が適正と言われています。例えば、給料が25万円であれば、その3倍の75万円を粗利で稼げていればOKという計算だです。
では、なぜ三倍か。実はあなた1人を雇うためには少なくないお金がかかっている。事務所の家賃や光熱費、社会保険料、消耗品費、教育にかける費用などなど。それらの合計費用＋あなたの給料＝給料の約3倍になると言われています。
つまり、「頑張っているのに給料が上がらない」と不満を言う前に、自分の粗利を計算してみて、給料の3倍になっているかどうかを確認してみるのがいいでしょう。
もしも給料がこの水準になっていない場合は、何かがおかしいと思った方がいいかもしれません。 粗利以外の部分で評価が下がっている。経営者が個人の粗利を管理できていない。など色々な可能性が考えられます。 しっかり粗利を出しているのになぜ給料が上がらないのか。一度、交渉してみてもいいでしょう。
経営者も完璧ではありません。忙しすぎて従業員の管理が疎かになる時もあります。そうであれば、自分の出している粗利を元に交渉をすれば、早期に給料を上げてくれるかもしれません。 また、もし粗利以外の部分で評価が下がってしまっている場合は、その点に対してのフィードバックがもらえる可能性も高いです。
※参考
構造的に粗利が出せないのであれば、周りのメンバーが粗利を出せるように働きかける
とはいえ、新人や経理などの間接部門の場合は、構造的に自分が粗利を出すことは難しいでしょう。では、そういった立場の人たちは給料を上げることができないのでしょうか。私は、そんなことはないと思います。
もし新人や間接部門にいる場合は、直接部門のメンバーが粗利を出せるように働きかけることが建設的だと思います。
例えば、会社の雰囲気をよくするためのコミュニケーションをとる。社内に点在しているナレッジを一つのドキュメントにまとめる。社内業務のボトルネックを解消に取り組む。などを行い、直接部門のメンバーがもっと粗利を出せるように働きかけることが大切だと思います。
余談ですが、アマチュア野球では、バッティングが不得意な選手がバントや進塁打を得意にしたり、球速が遅い投手が鋭い変化球を覚えたりします。自分が足りない部分を認め、他の方法でチームに貢献することができないかを考えるのです。こういった振る舞いは、組織の構成員として正しいと思いますし、評価の対象になるはずです
留意点
粗利を中心に話を展開してきました。最後に留意点があります。給料は粗利だけでなく、勤務態度や周りのスタッフへの影響度などが総合勘案されて算出されるものという点はしっかりと理解していただきたいです。粗利だけで給料の多寡を判断するのではなく、仕事に取り組む姿勢がプラスの評価の対象になっているかも振り返っていただけるといいかなと思います。
あなたの努力が給料に少しでも給料に反映されることを願っています。