質問・確認・相談の違いとその作法

「質問・確認・相談」って何が違うんだろう。ある日ふと疑問に思いました。今年転職をして、先輩上司に何かを聞く機会が増えたので、急にそんなことを考えるようになったのかもしれません。

みなさんはこの三つの言葉の違いを説明できますか? 私はこの三つの言葉を明確に使い分けをせずに、使ってきた自負があります。例えば、何を聞くにしても、「一点確認なんですけど〜」と切り出していました。

しかし、それは良くないと思い至りました。聞かれる側に負荷をかけてしまうと考えたためです。というのも、聞かれる側はこの切り出し方で頭の中を切り替えます。切り出し方に合わせてどうやって回答するかを準備するのです。つまり、切り出し方と聞く内容が違っていると、聞かれる側は頭の中を再度切り替えるための負荷がかかるのです。

前職で経験したことなのに、すっかり忘れてしまっていました。聞く内容と切り出し方を一致させることは重要です。また、どのような振る舞い(作法)で聞くかによっても、聞かれる側に与える印象がまるで違うでしょう。作法が良くないと良い回答がもらえなかったり、レベルが低くみられたりしてしまいます。

そこで、この3つの違いをまとめつつ、そこからそれぞれを行う時の作法を考えてみました。

質問・確認・相談の違い

Geminiとやりとりしながら、この三つの違いをまとめました。端的にいうと、以下のような違いがあると言えます。

  • 質問とは、不足している事実情報の要求
  • 確認とは、自分の認識と事実の照合
  • 相談とは、複数の選択肢から最適な道筋を共同で検討

こうやって見てみると、この3つは似てるようで別物だとわかります。

それでは次にどんな状況の時に、質問・確認・相談を使い分けるといいのか考えてみます。

質問・確認・相談はどんな状況で使い分けるのか

引き続きGeminiとやりとりを繰り返す中で、「解きたい課題の複雑性」と「課題を解決するための情報の充実度」の2軸で分けるとスッキリしました。

解決するための情報が揃っている解決するための情報が情報が足りない
課題が複雑(判断・リスク評価が必要)【相談】複数の選択肢から最適な道筋を共同で検討自分で情報収集
課題が単純(事実・ルール照合でOK)【確認】自分の認識と事実の照合【質問】不足している事実情報の要求

つまり、

  • 相談する時は、情報が揃っていて、解きたい課題が複雑な時。
  • 確認する時は、情報が揃っていて、解きたい課題が単純な時。
  • 質問する時は、情報が足りていないが、解きたい課題が単純な時。
  • 情報が揃っておらず、課題が複雑な時は、何をやればいいかわからない状態なので、まずは情報収集をして相談できるようにする必要があるでしょう。

「今、自分はこの状況だから、(確認or相談or質問or情報収集)をすればいいんだな」ということがわかりやすくなりました。(Geminiすげぇ)

それでは、質問・確認・相談の違いとそれぞれを使う状況が整理できたので、最後にそれぞれの作法について考えていきます。

質問・確認・相談の作法

確認と質問はかなりシンプルで良さそうです。ただ、相談の作法が難易度が高いと思いました。詳細を書いていきます。

確認の作法

「はい/いいえ」で終わる場合に使うといいでしょう。

例:「念の為変更がないか確認でして、来週月曜日の午前中の会議は、予定通り10時からで間違いありませんか?」

質問の作法

答えが「はい/いいえ」以外の一つになる場合に使うといいでしょう。

例:「探したけど見つからなかったので、質問ですが、先日共有された資料は社内サーバーのどのフォルダに保存されていますか?」

相談の作法

答えが一つにならず、複雑な課題ができるだけ単純な課題になるように、他者の意見や知恵を借りたい場合に使いましょう。つまり、相談は他の二つと比べて段違いに難しいと思います。しかし、基本的に仕事は複雑なことだらけです。そして、その複雑なことを単純なものに分解することが仕事の一つだと思います。上手く相談できるかどうかで、成果や進捗に差がつくでしょう。

上手く相談するためには、事前準備が必要です。下記の順番で準備から相談まで行うと、『上手い相談』になると思います。

  1. 複数の選択肢のメリットデメリット(以下、メリデメ)の洗い出し
  2. メリデメがわからなければ、調査や質問をして情報を揃える
  3. 洗い出したメリデメを検証して、どの選択肢を採用するのが良さそうか自分の中で仮説を作る
  4. それでも判断ができない、それぞれの選択肢に同じくらいのメリデメがあることを認識できたら、相談に入る

という流れが良さそうです。 書いていて思いましたが、相談をするにも質問が必要になる場面がありますね。
相談は相手にとっても負荷がかかります。相手の脳のリソースを借りることになるためです。だからこそ、できるだけ相手の負荷を軽くできるように、解決するための情報を準備する努力が必要だと思います。

例:「方向性の相談をしたいです。クライアントから突然仕様変更の依頼が来たのですが、納期を優先して対応するか、コスト増を承知で品質を維持するか、どう進めるのが最善かご意見をいただけますでしょうか?私は〇〇という理由で、納期優先の方が良いと思うのですが、品質維持も重要だと思ったため判断がつかず、相談をお願いできればと思います。」

相談と質問を繰り返して、確認ができるようになることを目指す

『仕事ができる人は、何かを聞く時「はい/いいえ」で答えられるようにしている』ということは、聞いたことがある人も多いでしょう。つまり、確認で済ませられるようになると仕事ができるようになっている証拠と言っていいかもしれません。しかし、いきなり確認だけで済ませられるようになるのは難しい。情報を揃えたり課題を単純化したりする力と経験があって、確認は可能になります。これからも、相談と質問を繰り返して、確認で仕事が進められるようになることを目指していこうと思います。

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