「最もリターンの良い投資は自己投資」という考えには、とても同意しています。ただ、二十代前半の私は、なぜ自己投資が良いのか腹落ちしていませんでした。「普通に貯金した方が自分のためになるのではないか」と考えていたのです。
当時の自分が腹落ちできるような説明を考えたところ、もう少し具体的に自己投資をイメージできるようにすると良いのでは?と思いました。
その結果、自分という人間のBS(バランスシート)の資本金(以下、自分資本金)を増資すること。これが自己投資の効果だと説明すれば良さそうだと考えました。仕事の関係で会計に関する知識が少しあったので、この説明なら腹落ちしやすいと思います。
「もし20代前半の自分に説明するとしたら、こんなふうに説明するだろうなぁ」という内容をまとめました。
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自己投資には、以下のようなものが該当すると思います。他にもありますが、自分の知見が増えたり、未知のことが減ったり、生活が便利になったりするものが自己投資に当たります。
逆に、知見がない、未知のことが多い、生活が不便なままという状態は、人生に対する借入をしている状態だと考えています。
これは会社の資本金の考え方と似ていると思います。
資本金が多い会社は、一般的に信用力があります。例えば、資本金が多いと外部から「不測の事態に強く、逃げ出すリスクが低く、社会的なルールを守る体力がある」と思ってもらいやすいです。
これと同様に、自分資本金が多い人は、他者からの信用を得やすいと思います。極端な例ですが、1年に50冊本を読む人と1冊も読まない人がいて、信用できる方を選ぶような場面があるとします。この条件だけ与えられると、おそらく多くの人が前者を信用すると答えるはずです。
資本金が多い会社は、会社としての基盤が強いです。つまり、資本金が多いということは、ちょっとしたトラブルでは倒産せず、次の成長に挑める体力があるということも意味しています。
これと同様に、自分資本金が多い人は、ちょっと不遇なことがあっても「なんとかなる」と思えるはずです。自己投資をして未知の体験を数多くする中で、打たれ強くなり、「まぁなんとかなるか」と思えるようになっているのだと思います。
周囲からの信用力が上がり、人間としての基盤が強化される。自己投資をして自分資本金が増えれば、会社の資本金と同様、これらの効果が期待できます。
例えば、採用面接を受ける時は、典型的な自分資本金の多寡が試される場面です。私は採用面接を受けたこともあるし、面接をする側になったこともあります。その経験から、採用面接は、求職者がどんなBSなのかを見極める場であるような気がするのです。
「自己投資を通して自分資本金を増資してきたのか」「未知の経験(自分の人生に対する借入)が多く、自分資本金が少なくなっていないか」。そんなことを、質問や所作を通して面接官は見極めようとしているのではないかと思います。
その他にも、クライアントとの打ち合わせや憧れの人との対話など、自分資本金の多寡が見られる場面はたくさんあります。そのため、人生の早いタイミングで自己投資をしておくのが吉です。
不確実な世界で生き抜く上で大事なことは、打たれ強さと周囲からの信用です。何かトラブルが起きた時でも、この二つがあれば生き抜くことができるでしょう。そのため、できるだけ早いタイミングで自己投資をして、自分資本金を増やしておくのが良いと思います。