一人の力で出せる成果には限界があり、大きな成果を出すためには、他者と協力する必要があります。
他者と働く時、私は常々その難しさを感じます。
報連相や調整、説明などの際に、業務に関する前提知識や生活環境が違うことを踏まえてコミュニケーションをする必要があるからです。
また、このコミュニケーションに失敗すると、自分の真意が伝わらず、相手にストレスを与えてしまい、仕事を円滑に進めることができなくなってしまいます。
こういったことをこれまで何度も経験してきました。
そんな状況の中で、エポックメイキングな本がありました。
それが、『他社と働くー「わかりあえなさ」から始める組織論』(宇田川元一著)です。
久しぶりに読み返してみたところ、改めて勉強になる部分が多かったため、この記事でまとめていきます。
本書で得たエッセンスの中で最も重要だと思ったことは、「社内、社外問わず、うまくコミュニケーションが取れない時にまずやるべきは、自分の立場を一切捨てて、他者の立場に立って考えること」です。
では、他者の立場に立って考える上で、他者のどんな点を注視するといいのでしょうか。
例えば、このあたりを注視すると、他者の思考の源泉に触れることができるため、他者の立場に立ったコミュニケーションが取りやすくなるのでは?と私は考えています。
そのために、他者との会話量を増やすことが大切だと思います。
その会話の中で、仕事以外の話も積極的にして、相手の考えていることを読み解くヒントを得られるようにすると良いと思います。
もちろん、プライベートには踏み込みすぎないように注意です。
仕事以外の話をする際には、相手から不信感を抱かれないように、「今後、良いコミュニケーションを取るために聞きたいんですが〜」といった切り出し方をするといいかもしれません。
他にも、色々な立場の人の思考を知るために、良質な小説、漫画、ドラマや映画などのコンテンツに触れることも有効だと思います。
たとえコンテンツ自体がフィクションだとしても、そこに登場する人間の感情はノンフィクションです。
フィクションだからと言って侮らずに「こういう状況に置かれた人は、こんな言動をするんだ」という感じで、他者の理解に努めると良いと思います。
早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行けと言うことわざにも現れているように、他者と働くことのレバレッジはとてつもなく高い。
難しさを乗り越えて、大きな成果を出せるように、これからも試行錯誤を繰り返していきたいと思います。
最後に、本書の中で一番響いた文章を引用して、終わりにします。
私たちはお互いに理解し合えない苦しみ、他社に見せられない痛み、それを語ることができない寂しさを抱えて、今の企業社会に生きている。
たからこそ、そのことに向き合って、新たな人間関係を築いていく入口に立っている。
他者を100%理解することはおそらくできませんが、理解しようとする姿勢を持ち続けることはできます。